2010 Live

2010年のライブダイアリー

 

2010年

11月

01日

2010.10.31 布袋寅泰@リキッドルーム

 8月に始まったマンスリー・ライブ・シリーズの3回目。

過去2回はトリオ編成だったそうだが、この日は中村達也(ds)、井上富雄(b)、小島良喜(key)に布袋という4人編成である。

「これまでトリオ編成でやってたけど、小島さんが入ってくれたおかげで、僕がセンターに立てるから、はしゃいじゃってね(笑)」

と布袋はMCで語っていたけれど、もちろん真ん中に立ちたいから4人編成にしたわけではあるまい。

 

そもそもこのマンスリー・シリーズを始めた意図を推測すれば、「このライブではオレのやりたい曲をやるんだから(笑)」と布袋は言うが、つまりは自分のやるべき音楽を再検証/再確認するということはあるだろうと思う。

このところ、新作をリリースする前に敢えてツアーに出るベテラン・アーティストが相次いでいるけれど、それはCDが売れにくい状況、つまりは逆風下にあって、ライブを活動の主軸おいてきたアーティストは自分の音楽やその音楽の聴き手の関係性を見つめ直すことを、他でもないライブの現場でやってみようという試みであるわけだ。そうしたなか、自他ともに認めるライブ・アーティスト、布袋だからこそライブハウスで、間近にオーディエンスをおいて、演奏者のテクニックと発想が自在に交錯するなかで生み出されるものの質を確認したかったんだろうと思う。

そして、来年2月の30周年記念ライブが発表された今となっては、このシリーズがその記念ライブの重要な予告編にもなっていると思われる。

 

 個人的には、このシリーズではとにかくギターを弾きまくるんじゃないかと勝手に想像していて、実際この日も弾きまくっていたが、そのなかにギターをおいてシックに聴かせる「キング&クイーン」のような曲も含まれていたりして、やはりボーカルまで含めたトータルなパフォーマンスのなかで彼の現在の音楽は表現されるということなんだろう。

 

 さて、武道館での記念ライブのバンドがどんな編成で、どういうラインナップになるかを占う意味でも、シリーズの残りのライブには注目である。

 

2010年

10月

24日

2010.10.18 the pillows presents"Born In The 60's Tour"@渋谷O-EAST

the pillowsが、メンバーが60年代生まればかりのバンドとともに行ったツアーのファイナル。この日の対バンはTOMOVSKYとザ・コレクターズ。

 

TOMOVSKYのバックはいつものようにサードクラスが務め、加えてベースはTHEピーズのハルくんが担当。期せずして兄弟共演を楽しませてもらったわけだ。例によって、冗談のような調子でステージを進めながらも、さわお氏のリクエストに応えて超名曲「スキップ」を披露したかと思えば、さわお氏&真鍋氏を迎えてのセッションもあったりして、TOMOVSKYのステージは聴き応え/観応え十分。

続くザ・コレクターズは貫禄十分という感じで、「いちばん高い」という加藤のステージ衣装も印象的だった。

 

で、the pillows。初日同様、なんだかやたらと楽しそうで、若々しい部分ばかりが目立つステージだった。最後に出た「来年もやるよ」という宣言が、なによりもこのツアーの成功を物語っているだろう。

 

2010年

10月

24日

2010.10.09 仲井戸麗市@SHIBUYA-AX

「GO!60」と題した全国ツアーのファイナルにして、仲井戸本人のバースデー・ライブである。ステージは、早川岳晴(b)とのデュオ・スタイルだ。

 

「GO!60」とは、60回目の誕生日となるこのファイナルに向かって突き進むということであると同時に、60本のツアーを駆け抜けるという意味でもあり、1月に始まったこのツアーで彼は文字通り全国をまわってきた。なにせ60本、10ヶ月におよぶツアーだから、例えば相棒の早川が事故で骨折して演奏ができなくなってしまったことを筆頭に、いろんなアクシデントがあったと思われるが、早川も常識を超える早さで復活し、見事この日を迎えた。

 

 注目のステージは、「1950、オレは新宿で生まれた」という歌に始まり、野球少年が音楽に目覚めた頃のこと、天井桟敷の公演(「捧ぐ!永山則夫への70行」という公演のようだ)を手伝ったことで刺激されてポエトリー・リーディングを始めたことなど、仲井戸自身の解説付きで、彼の音楽的バイオグラフィーをたどるような内容になった。

となれば、やはりRCに触れないはずもなく、清志郎の思い出を交えながら披露した演奏の素晴らしさは言うまでもないだろう。

 

 もっとも、そういった内容だからと言って、年配の人が自分の誕生日に自分の半生を振り返る際の甘いノスタルジーに流れるはずもなく、それはやはりエッジの効いた、それでいて味わい深いステージだった。

 

そして、このツアーのなかで「無理をしないように」という技をマスターしたと面白おかしく彼は語っていたけれど、確かに彼の音楽は進化/深化していると感じられて、なんともうれしかった。

 

 

 

2010年

10月

24日

2010.09.27 the pillows presents"Born In The 60's Tour"@渋谷O-EAST

 その名の通り、メンバーが60年代生まれのバンドだけを集めてのツアーの初日。ゲストは怒髪天とTHEピーズである。

 

怒髪天もTHEピーズも、本当に楽しそうに、リラックスして、しかも演奏時間はちょっと巻き気味、でも自分たちの持ち味をしっかりと見せつけるというイベント出演のお手本のようなステージ。THEピーズのステージのなかで実現した怒髪天との共演による「時の過ぎゆくままに」も絶品だった。

 

形としては「受けて立つ」立場のthe pillowsだが、実際にはこのツアーの出演者のなかで山中さわおがいちばん年下ということもあってか、若手バンドのような伸びやかさで聴かせた演奏はなかなかに印象的だった。

やっぱりthe pillowsは「胸を貸してあげる」横綱相撲より挑戦者として立ち合いからつっかけていくほうが得意ということなのかもしれない。

 

2010年

8月

14日

2010.08.02 やもり@東京オペラシティ・コンサート・ホール

やもりとは、矢野顕子と森山良子のスペシャル・ユニット。

 7月14日にアルバム『あなたと歌おう』をリリースし、そのアルバムを携えてのツアーの最終日がこの日のステージだ。

 

 演奏は、矢野、森山に小倉博和(g)と三沢またろう(perc) の4人。

 

 通常はクラシック・コンサートに使われることが多いこの日のホールの音響状態が、アコースティック編成のバンドの音との相性も良く、表現自体の豊かさを素朴な味わいのなかで感じられるコンサートになった。

 

 ステージは、アメリカの国民的作曲家、フォスターの「Beautiful Dreamer」をやもりの二人がアカペラで歌って始まり、さらにアンコールでは日本を代表する大作曲家、中田喜直の曲「夏の思い出」「ちいさい秋みつけた」「雪の降る町を」のメドレーをこれまたアカペラで二人が歌った。

 

 つまり、この日のステージの豊かさとは、こうした名曲たちを二人の類いまれなボーカリストがたっぷりゆったり歌うことで生まれてきたものだが、その背景には矢野と森山のアメリカ音楽の豊かさに対する尊敬と知識の深さがあることも見逃せないように思われた。

 

 アルバムにも収録され、この日のステージでも披露された「GOING HOME」はドボルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章のテーマを歌曲にしたものだが、「新世界より」はチェコからアメリカにやって来たドボルザークの、アメリカに対する興奮と共感が作品化されたもので、そうした作品の一部がピックアップされていることが結果的にやもりのふたりの潜在意識を伝えているのかもしれない。

 

 そして、憧憬の音楽化だけに終わらず、例えば♪なんでもありのわたしの今日/なんでも来いのわたしの明日♪と歌う「わたしたちの明日」のように自分たちの暮らしの実感のなかにちゃんと音楽を着地させるところに、彼女たちが長いキャリアを積み重ねてこれたことの理由の一端を垣間みることができたように感じた。

2010年

7月

25日

2010.07.25 オリジナル・ラヴ@SHIBUYA-AX

ビールのCMで、そのいかにも粘り気の強そうな歌声を耳にして、“そう言えばオリジナル・ラヴはどうしてるんだろう?”と思っていたら、5月にベスト・アルバムがリリースされて、ツアーである。

 というわけで、そのファイナルに来てみたわけだが、さて、オリジナル・ラヴのライブを見るのはいつ以来だろう?

 

 この間のオザケン・ライブほどではないにしても、ずいぶんと久しぶりであることは間違いない。そういうライブに出かけたときの感想は大雑把に言って、“変わらないなあ”か“老けたなあ”のどちらかである。

 

 で、この日の感想をその大雑把な二分法で振り分けようとすれば、“老けたなあ”ではないことは確かなのだが、“変わらないなあ”というふうに言ってしまうのはやはり大雑把に過ぎるだろう。

 

 で、見ている間に思い出したのは、いつだったかは思い出せないにしても、この前に見た時には“田島はなんだか小林旭みたいになってきたなあ”と思ったということである。

 そもそも、田島貴男が“渋谷系”の寵児としてもて囃されたメジャー・デビュー当時、濃厚な芸能性を洋楽的に洗練された、しかも優れてセンスのいい形で展開することによって“洋楽とか邦楽とかどうでもいいから、とにかくかっこいい音楽で盛り上がりたい”という若者の気持ちを鷲掴みにしたわけだが、僕が“小林旭みたい”と思った時期はその“渋谷系”時代の表現からいい意味で衒いが抜けて、例えばニューオリンズの街のライブハウスで歌っていそうなあんちゃんみたいな感じになっていたわけだ。

 

 そして、この日の彼は、その時代から当然何歳か年をとったわけで、ということは“ニューオリンズのあんちゃん”は少なくとも“ニューオリンズのおっちゃん”になったはずで、でも“老けた”とは思わせないのだから、やはりヤツは凄い!と言うべきなのかもしれない。

 

 しかし、例えば“田島貴男絶好調!”というふうに書くのがはばかられるのはなぜだろうと考えると、ひとつにはこの日のバンドとの相性があると思う。古田たかし(ds)、鹿島達也(b)、木暮晋也(g)という音楽ファンにはお馴染みのプレイヤーたちだが、この組み合わせが十全に現在のオリ・ラヴ・ワールドを表現しているようには思えなかった。

 

 ただ、やはりいちばん気になったのは、田島の集中力がふっと切れたように感じる瞬間が2時間半のステージのなかで2回か3回あったことだ。それは本当に瞬間の感覚で、ということは僕の気のせいなのかもしれない。

 

 あるいは、逆に集中し過ぎて、どこか先のほうに行ってしまったということだろうか。個人的には、時間はもっと短くてもいいから、そのねっとりとした歌が自分のからだにまとわりついて眠れそうにないと思えるような濃密なオリ・ラヴ・ライブを体験したいと願っているのだけれど。

 

 それはともかく、この日のライブを見てひとつ確認できたのは、オリジナル・ラヴはオリジナル・ラヴらしく一筋縄でいかない成熟の道をたどっているということであって、だからこそ“渋谷系”の時代から自分たちにとってのかっこいい音楽を求め続けてきた人たちにとっては、これからいよいよオリジナル・ラヴは面白くなるということである。

2010年

7月

14日

2010.07.09 布袋寅泰@Zepp TOKYO

本人のケガで延期されたライブの振り替え公演。“復活祭”と題されたステージは、まさに“布袋、元気です”という内容だった。

 まあ、それ以上にというか、オーディエンスの熱気がすごくて、開演を待ちきれずにBGMの曲が終わるたびにものすごい布袋コールが巻き起こっていたわけ だが、布袋とバンドはその熱気を真正面から受け止めて、見事に燃やし尽くしてみせたと言うべきだろう。

 

 今回のバンドは、中村達也(ds)、那須野ミツル(b)、小島良喜(key)というラインナップ。布袋のMCによれば「ビビッドな感じは全然ないけれど (笑)」という顔ぶれだが、むしろのその職人肌的な指向性が今回のステージには合っていたんだろうし、そもそも布袋はそういうテーマでメンバーを選んだん じゃないかとも思う。

 

 いつにも増して、布袋のギターがガツンと押し出されている。布袋ならではの切れ味とタイム感で刻まれるギター・カッティングはやはり素晴らしく、ギ ター・ソロもけれん味たっぷりだ。

 

 来月からはマンスリー・ライブ・シリーズがスタートするわけだが、この調子ならひねった感じの実験的な内容ではなくて、よりストレートなライブハスなら ではの高揚を意識した内容になるんじゃないだろうか。

 

 終演後、駅までの道すがら「マンスリーだって。どうする?」と話していたサラリーマン風の二人連れはおそらくマンスリー・ライブにも行くんだろうな。

 

 そう思わせるに十分のステージだった。

 

1.BORN TO BE WILD

2.RUSSIAN ROULETTE

3.ALL DAY AND ALL OIF THE NIGHT

4.フランケンシュタイン

5.バンビーナ

6.ハートブレイクホテル

7.DRIVING TO YOUR HEART TONIGHT

8.BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY

9.ボルサリーノ

10.アストロノーツ

11.SLOW MOTION

12.CALLING YOU~THANK YOU~NOBODY IS PERFECT

13.BAD FEELING

14.C'MON EVERYBODY

15.スリル

16.RADIO!RADIO!RADIO!

17.IDENTITY

 

[ENCORE-1]

18.LONELY★WILD

 

[ENCORE-2]

19.I'M FREE

20.FLY INTO YOUR BODY

2010年

2月

28日

2010.02.27-28 甲斐バンド@新宿厚生年金会館

“NEVEREND”ツアーの最終地点。その1日目には、なんと甲斐の愛娘、甲斐名都がゲストで登場。

 というわけで、開演前のバックステージは不思議な雰囲気だった。それは緊張というのとは少し違っていたと思う。いつも結果など気にせず最高のプレイだけを心がけ、そしていつも勝ってきた猛者たちが珍しく勝ちを意識している試合前のベンチはもしかしたらこんな雰囲気かもしれない。

 

 これまでと同様、「ブライトン・ロック」から始まったステージはやはり素晴らしい。「昨日のように」までその興奮は続き、「さあ、特別な夜にしよう」と甲斐が言ったところで、その話す調子に“あれっ?”と思った。そして、甲斐名都が登場し、渋いアレンジの「恋のバカンス」はいかにもかっこよかったのだけれど、演奏が終わって彼女を紹介する甲斐の調子がやはりいつもと違う。

 

「平均年齢をちょっと下げに来ました(笑)」

 

対照的に、娘は落ち着いている。

 

「口数、少ないね。大丈夫?」

 

完全に娘がその場の空気を掴み、そして2曲目の競演へ。結果、この日のオーディエンスは「ラン・フリー」を1回半、聴くことができた。

 

 しかも、終盤のMCでは4月に照和2デイズ公演を行うことも発表されて、いろいろな意味で中味の濃いステージになった。

 

翌日のスポーツ新聞各紙の報道を見ると、やはり親娘競演の話題が中心で、照和公演発表の扱いは小さい。「照和」が「昭和」になっている記事もあった。「昭和」が終わって20年以上経ち、「照和」も遠くなったということか。

 

 それはさておき、いよいよツアー最終日。この日、ゲストはなく、ツアーをまわってきた、その調達点をバンドとして見せつけるステ=ジになるはずだった。そして、結論を言えば、改めて背筋が伸びるライブになった。

 

 ひとつには、思い切り両手を広げたような伸びやかさとしっかり腰を割って両足を踏ん張ったような揺るぎなさを備えたバンドの演奏が僕の体をそんなふうに動かしたということがあるだろう。もうひとつの理由は、もちろん甲斐のメッセージのせいだ。心の目線を上げると、自然と背筋は伸びる。

 

 終演後、ステージの背景に浮かび上がった夜景が少し下に下がり、そのせいで空いたスペースに「KAI BAND 35 th Anniversary」の文字が浮かび上がる。目線を上げて視野が広がった先に見えるのは甲斐バンドの35年の時の流れであり、ということは甲斐バンドとともに時間を過ごした人たちの時の流れだ。バンドは、その意味と価値を確認し、だからこそその流れを止めることなく、“次”へと向かう。このツアーが“NEVEREND”と名付けられていたことの理由がこうして明らかになった。

 

2010年

2月

19日

2010.02.19 the pillows @ Zepp TOKYO

アルバム『OOPATS』を携えてのツアー、その最後から2つ目のステージ。

始まる前にPA席でマネージャーと照明オペレーターの人がさかんに笑い合っているから何狩るのかなと思っていたら、とりあえず照明がO-EASTのときよりカラフルになっていた。O-EASTに比べると会場に奥行きがあるので、そのストロークを生かしたプランニングと受け取るべきだろうか。

 

 それはともかく、ステージの内容もO-EASTからさらにリラックスした印象で、ラグビーに例えれば(と言っても、ラグビーの例えがそれほどポピュラーとも思えないが)以前のステージがフォワードを生かした密集戦が中心だったのに対して、今日はバックスを生かした展開戦から始めた印象である。それはつまり、いい意味での余裕がそういう選択をさせているのだろうし、実際その余裕の影響と思われる伸びやかさがライブを以前にも増して気持ちのいいものにしていた。

 

 もちろん、その余裕の大きな原因のひとつはオーディエンスとの親密感であって、だからいつもは打ち上げにしか現れない”ミッキーマウス”(笑)も登場し、客席をさらにリラックスさせてくれたのだった。

 

 ところで、山中さわおが今日、起き抜けに偶然、高橋大輔の銅メダルの演技をテレビで見たそうで、それを受けての感想を話した。

 

「スポーツ選手っていうのはみんな、すっごい辛くて苦しい練習を人知れずやってきてると思うんだ。それでも、明確に勝ち負けが出るから1回1回の演技がものすごい厳しいものになる。それは、ちょっとうらやましい気もするし、大変だなあとも思う。だって、オリンピックは世界で4位になっても”ちょっと…”っていう感じだろ。それで言えば、ピロウズなんて20年間惨敗続きだよ(笑)。辛いこととか全然やってこなかったからね。それでも、こんなにマニアが集まってくれる。音楽っていうのは、本当にいいものですなあ(笑)」

 

 でも、この発言はちょっと嘘が入っていると僕は思う。なぜなら、彼はこんなふうに歌う。

 

♪キミの夢が叶うのは/誰かのおかげじゃないぜ/風の強い日を選んで走ってきた♪

 

 風の強い日を選んで走ってきたのは、もちろん山中さわおであり、the pillowsだ。だからこそ「20年間惨敗続き」でもZeppはいっぱいになるのだし、この日のように伸びやかにロックンロールを鳴らせるのだと思う。

 

2010年

2月

10日

2010.02.10 甲斐バンド@渋谷C.C.Lemonホール

昨年10月から続く"NEVEREND TOUR"の最後を飾る東京4デイズの1日目。この日はゲストに押尾コータローを迎えた。

 1曲目の演奏が始まったところで明らかだったのは、バンドの演奏の奥行きが増していることで、より引き締まった感じがするのだが、かと言ってギシギシした窮屈な感じはなく、むしろちょっとふくよかなぽっちゃり感さえ感じさせるという演奏だ。ゲストが入って曲数が増えているうえに、個々の曲のアレンジもちょっとずつ長くなっているから本当にたっぷりとしたメニューなので、びっくりするくらい(笑)MCが短いのに、それでも2時間半以上のステージ。お腹いっぱいである。