2012.2.4  甲斐よしひろ@中野サンプラザ

「MY NAME IS KAI II 2012"MEETS"」ツアー初日のステージ。急遽降板となったkiyoに代わり、サポート・キーボードは前野知常が務めた。先にアナウンスされていた通り、前半は甲斐ひとりでの弾き語りのステージ、後半は押尾コータローとの共演、という構成だ。

見どころはやはり押尾との共演、もっと言えば、甲斐を相手に押尾がどんな演奏を披露するかということだろう。で、押尾は期待以上のスーパープレイでオーディエンスを圧倒し、終演後の楽屋あいさつでも甲斐の関係者から絶賛の声を受けていた。が、個人的にいちばん印象的だったのは甲斐の弾き語りによる「HERO」で、従来の颯爽としたイメージを一変させるような”語り”スタイルのその演奏は、この時代の気分とも、もう若くはない世代の気分ともフィットする、"HERO"像を描き出していたように感じた。

もっとも、いちばんの見どころは何かと言えば、絶好のタイミングでステージ後方に浮かび上がる深紅の真一文字であって、その鮮烈な演出が伝えるものを考えるだけでも今回のステージは見る価値があると言っても、過言ではないと思う。