3年目の「Chageの細道」、その佳境のステージである。
MCでも話していた通り、東京・日本橋と言えば、江戸の時代にはすべての街道の起点になっていたところだが、今年のChageは茶会を行った銀座から始めて、日本橋で旅を終えるというわけだ。
「旅」は当然のことながら「細道」シリーズの重要なキーワードのひとつで、しかもそれは例えば飛行機でビューンと飛ぶような旅ではなく、列車に揺られて、ときに寄り道もしながら進んでいく旅だ。だから、ステージは、車掌の車内アナウンスの口調をマネたChageのアナウンスで始まり、「線路はつづくよ」というBGMにのってステージを終えたChageは退場していくことになる。そして、その旅のイメージはそのままこの日のステージの内容とも重なるもので、というのも決して急がず、ときに大きく話が脱線してしまったような場面もありながら、気がつけばオーディエンスはちゃんと幸福な結末にたどり着いているのだ。それは、言うまでもなく旅先案内人としてのChageの腕に負うものだが、しかしその幸福さのゆえんはただちゃんと目的地に着くといったことではなく、その道すがらの楽しさもあってのことであって、その楽しさの理由を探れば案内人であるChage自身も旅を楽しんでいるから、ということになるだろう。というのも、この”旅”は毎回始まってみないとどうなるかわからないというのが本当のところで、その緊張感をChageは楽しみながら、しかしあくまでもゆったりとオーディエンスを導いていくのだ。その具合がじつにゆったりとしているものだから、会場を出た後で2時間しか経っていないことに気づくと不思議な感じさえするだろう。
いい旅とはそういうものだし、まさにいい旅をしたような気分になるステージなのである。
01.遠い街から
02.手を握った
03.遠くへ行きたい
04.夢から夢へ
05.ふわり
06.3月のタンポポ
07.TOKYO MOON
08.SOME DAY
09.夢で逢えたら
10.アイシテル
11.ファイト!
12.NとLの野球帽
[ENCORE]
13.ふたりの愛ランド
14.まわせ大きな地球儀