”MOONLIGHT ORCHESTRA”と題したツアーのファイナル公演。初日に三郷で見たときと比べると、会場が広くなったせいか、セットの鮮やかさがさらに際立ったように感じる。とは言っても、その鮮やかさが従来のきらびやかさとはニュアンスを異にするものであることは言うまでもない。石井のこの日のMCによれば、セット・デザインは今年生誕100年を迎えた岡本太郎を意識したということで、言われてみればなるほどと思うところもあるけれど、でもやはり全体の印象は紛れもなく”石井的”である。そこに漂う密やかでどこか妖しい感じは石井にとっての月のイメージなんだろうが、その空気が会場全体に気持ち寄せ合うことを促すような感じがあって、それは他でもないこの時節においては、じつはオーディエンスが最も求めていた空気だったようにも思えた。
もちろん、この日のクライマックスは会場全体で歌う「つよくいきよう」だったはずだが、個人的にはWアンコールの「はなひとひら」がそれと同じくらい印象的だった。ライブの全編を通じて終始饒舌だった石井がそこでは何も説明を加えずにその1曲をていねいに歌いきったのだけれど、その歌が感じさせた思いの深さとこの1曲のために用意したという真っ白な衣装が合わさって伝えるのは、じつに潔く自分の信念に従おうとする彼の現在であるように思われた。
SE:Moolight Serenade
1.雲
2.青空の向こうで
3.夢の迷い道
4.妖精
5.蒼の思い出
6.星空
7.今を描こう
8.MOON RIVER
<小芝居:Smiling Space Man〜月面開発企業撤退命令>
9.MOONEDIA
10.AIRAの大地
11.虹の輪
12.おもちゃの勲章
13.命の球体
14.夕焼け飛行船
15.WHITE MOON IN THE BLUE SKY
[ENCORE-1]
1.愛の力
2.つよくいきよう
3.道はある
[ENCORE-2]
1.はなひとひら