3年目となる”茶会”、その最終日である。
今年の会場は銀座。というわけで、僕自身はまったくそんなことは考えなかったけれど、オーディエンスの装いもどこかよそ行きふうな感じが多い。主人公のChageがネクタイ姿で登場することはすでに織り込み済みだったのか? 本来は芝居が上演されるステージには、昔の数寄屋橋ふうのセットが作り込まれ、いつもの3人のバンドに今回はAMAZONSが華を添えている。
ステージの内容は、基本的には達者なおしゃべりと情感豊かな歌で構成する、いつも通りのものだったが、この日は先に書いた銀座的なエッセンス、つまりノスタルジックなセット、ネクタイ姿、ドレスアップした女性コラースが加わって、大正ロマンなレビュー・ショーはかくありやと思わせた。さらに言えば、例えば「マイ・ブルー・ヘブン」を歌うエノケンの舞台はこんな感じだったんじゃないのかなという感じで、つまり笑わせてキュンとさせるという、大衆の機微を心得た、古くて新しいエンターテイメントの形を思わせた。
終演後のChageが「茶会の形もこれてひとつ出来上がってきた感じがするね」と言っていたのが印象的だったが、外に出てみると新曲「TOKYO MOON」の歌詞の通り、雨上がりの月が鮮やかだった。
1.東京ラプソディー〜銀座カンカン娘
2.有楽町で逢いましょう
3.銀座の恋の物語
4.遠くへ行きたい
5.誰かさん
6.two of us
7.夢の飛礫
8.夢で逢えたら
9.カッコマン・ブギ〜東京ブギウギ
10.夢の中へ
11.アイシテル
12.TOKYO MOON(新曲)
13.トウキョータワー
14.僕が見つけた気持ちのいい場所
[encore]
1.見上げてごらん夜の星を
2.まわせ大きな地球儀