2月の武道館公演が”創世記”BEGINNING FRON ENDLESSだったのに対して、この日は”威風堂々”TONIGHT I'M YOURS! 武道館公演が自らのキャリアを冷静に概観したセット・リストだったのに対して、この日はソロになってからのヒット曲にBoφwy時代のナンバーを絡めた構成だったが、エンターテイメント・ショーとしても、アーティスト布袋寅泰の音楽性を見せつけるという視点から見ても、とてもよく練られたセット・リストだった。
バンドのメンバーは、中村達也(ds)、井上富雄(b)、岸利至(manup)、奥野真哉(key)、JIll(cho)、中村敦(cho)。スペシャル・ゲストでGLAYのTERUが登場した。武道館公演はkeyは小島良喜だったが、井上陽水ツアーと重なったからだろうか、この日は初めて奥野が起用された。奥野は、おそらくは布袋ファンにはあまり馴染みのないプレイヤーだろうが、布袋自身がステージでも紹介していた通り、ソウル・フラワー・ユニオンのメンバーとして揺るぎないキャリアを誇るバンドマンであり、またプレイヤー、プロデューサーとしての実績も確かなものだ。この日も、例えばJILLが朗々と聴かせたPERSONZの代表曲「DEAR FRIENDS」のピアノの演奏に彼の確かな腕を感じ取ったオーディエンスは少なくないだろう。
さて、この日の隙のないセット・リストのなかでも最大の見せ場のひとつは布袋、中村、井上の3人だけが客席中央まで伸びた花道のいちばん先のところで、アコースティック・セットで聴かせた3曲だろう。そのヒルビリーな演奏は、彼ら3人のプレイヤーとしての質の高さと、ヒルビリー、あるいはロカビリーといったタイプの音楽がいかにかっこいいかということを十分に伝えるものだったが、いちばんのクライマックスはそのアコースティック・パートの直後にいきなりデジタルなサウンドに大仕掛けの演出も絡ませてデヴィッド・ボウイのカバー「STARMAN」を聴かせたところだろう。その展開の鮮やかさと、結果として印象づけた見事なスケール感は、布袋が冒頭のMCで語った「宇宙一のロックンロール・ショーへようこそ」という言葉にまさしくふさわしいものだった。そして、この日のショーのいちばん最後に、たっぷりと披露されたギター・ソロがまったく冗長に聞こえない、むしろそれまでの演奏がこのギター・ソロのための壮大なイントロに聴こえてしまったところで、あらためて彼のGUITARHYTHMの一途な美しさを実感することになった。
1.CHANGE YOURSELF!
2.スリル
3.IMAGE DOWN
4.さらば青春の光
5.サレンダー
6.DIVING WITH MY CAR
7.BLUE VACATION
8.1994-LEBEL OF COMPLEX
9.BEAT SWEET
10.PROMISE
11.NOBODY IS PERFECT
12.DEAR FRIENDS
13.CIRCUS
14.MERRY-GO-ROUND
15.POISON
16.STARMAN
17.サイバーシティーは眠らない
18.ホンキー・トンク・クレイジー
19.CLIMB
[ENCORE-1]
1.恋をとめないで
2.DREAMIN'
3.RADIO!RADIO!RADIO!
[ENCORE-2]
1.FLY INTO YOUR DREAM